バンコクの未来のごはん(プロジェクトリーダー スティーブン・マックグリービー)

FEAST HQ WG2, セミナー、ワークショップ, レポート

2019年も終わりに差し掛かった12月中旬、私はバンコクへと向かいました。今回の目的は、タイの共同研究者たちに会うこととワークショップです。タイは、仕事で訪れるににせよ、旅行にせよ、本当に素晴らしい国です。料理は美味しく、人も優しい。いつも新しい驚きのある国です。今回のバンコク出張で特に印象に残ったのは、①エコラベルと区分が非常に多様であること、②至る所で食べもののデリバリーサービスが利用可能という2点でした。

スーパーに行ってみると一目瞭然なのですが、タイの食の透明性は、日本よりずっと進んでいるようです。出張中のある夜、スーパーを訪れる機会がありましたが、その野菜売り場は目を見張るものでした。オーストラリア産有機野菜、タイ産有機野菜、水耕栽培、衛生的生産(hygienic)、といった4つの生産方法で区分されていました。誰でも自分にあったものを何かしら探せるでしょう。タイは、長年に渡り食の安全の国際基準を尊重し、「世界の台所」となるべく取り組んできました。

バンコク市内のスーパー

 

 

 

 

パッケージやラベルの細やかさもまた、私にとって非常に目新しいものでした。例えば、鶏肉のパッケージには飼料についての記載があり、私が手に取ったものには、玄米を飼料としていると書かれていました。他にも興味深い表記もいくつかあり、茄子のパッケージには「Naturally grown by soil(土で自然栽培)」と書かれてました。

玄米を飼料とした鶏肉

「土で自然栽培」!?

 

 

 

 

 

 

 

実際に利用する機会はありませんでしたが、食べもののデリバリーサービスは至る所にありました。バンコクでは、「Grab」というアプリが主流なようで、バンコクの数多くのレストランや食堂から、ボタン一つで好きな食べものを配達してもらえます。バンコクはいつもスクーターで渋滞していますが、こうしたデリバリーサービスの台頭で余計悪化したのではと思います。日本でも「Uber Eats」が段々普及してきましたが、地球研は郊外にあるためサービス圏外という悲しい現状です・・・

「Grab」の配達バイク

「Grab」の看板

 

 

 

 

 

 

 

タイ出張の最大の目的は、マヒドン大学の共同研究者が企画した都市部の食の実践に関するワークショップでした。バンコクに住んでいると、一日一回は外食し、家に台所がないことも大いにあり得ます。タイ料理の調理には労力がいりますし、持ち帰りや外食文化の発展は目覚ましいものです。こうした中で、私たちは、バンコクという都市における家庭での調理、外食、購買活動が将来的にどのように変化するかという点に関心を寄せています。タイの人々は、家庭料理に関する知識やスキルが失われつつあることに悲観的な意見を持っているのでしょうか。それとも、生活のペースが加速化する中で、24時間ずっと食べものがあるという便利さを重視するのでしょうか。食の安全や環境に関する懸念事項はどうでしょうか。

ワークショップの様子

本研究の初期段階では、異なる消費者グループに、3つの食の実践に関する未来の理想像はどのようなものかという問いを投げかけました。その回答を分析、ストーリー化し、実現可能なシナリオとしてまとめました。今回のワークショップでは、参加者からそのシナリオへのフィードバックなどをもらい、必要なアクションプランを立案するためバックキャスティングを行いました。現在、その結果を分析中ですので、また後日何らかの形で報告させて頂きます。

 

 

バンコクの家庭料理にも興味があったのですが、最近スーパーでは(焼くだけ、煮るだけ、といった)半調理食品が増えていると、タイの友人が教えてくれました。アメリカのミールキット「ブルーエプロン」とまではいきませんが、スーパーに並んでいました。日本でも、バンコクと同様にこうしたパッケージ食品が多くなってきています。

半調理食品

 

 

 

 

 

 

さて、バンコク滞在の醍醐味と言えば、ストリートフード(屋台)を味わうこと。今回は、タイの友人とチャイナタウンを訪問し、クイジャップ(Guay Jub)というくるっと丸まった米麺を食べました。胡椒のしっかりきいたベースのスープには、豚のホルモンと卵が入っています。私たちの訪れた屋台は、ミシュランからビブグルマン認定を受けており、長い行列ができていました。待ち時間は長かったものの、その価値はあり!胡椒のきいたスープで汗が止まらず、食べ終わるころにはみんな汗だくといった感じです。

ミシュラン認定ストリートフード

 

 

 

 

 

 

最後にひとつ、消費の観点からおもしろいと思ったものがありました。冬用ジャケットとスーツケースのレンタスショップです。日本のような雪の降る寒い国へ旅行を考えている人にとって、滅多に使わないジャケットを買うのはもったいないですよね。レンタルして、終われば返却、という具合です。

レンタルして返却!

 

 

 

 

(撮影:スティーブン・マックグリービー)

(和訳:Yuko K.)