イベント案内:P.B.Thompson著「From Field to Fork」読書会@東京

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[読書会の趣旨]
今回の読書会は、食農倫理学(Food ethics)の標準的な教科書の一つである、P.B.ThompsonのFrom field to forkの邦訳草稿を、持続可能なフードシステムのあり方とその倫理学的な側面に関心のある皆さまと一緒に読み、訳文のブラッシュアップと必要と考えられる訳注についての意見交換をすることを目的としております。倫理学、哲学だけでなく、農林水産業、食選択、消費者教育、科学技術社会論、ESD(持続可能な開発のための教育)、フードスケープ…などにご関心をお持ちの方のご参加を歓迎いたします。

参加申込みについては、「参加申込」の項をご覧ください。

本読書会は、中央大学人文科学研究所「リアリティの哲学」研究チームと地球研FEASTプロジェクトの支援を受けて開催されます。

[読書会概要]
日時:2020年1月25日(土) 午後 (※ 13時~18時を予定しています)
場所:東京都内 (※ 渋谷駅近辺を予定しています)
対象書籍:『農場から食卓まで―みんなの食農倫理学―』(仮: From field to fork邦訳草稿)
主催者:太田和彦(地球研:訳者)、寺本剛(中央大)、竹中真也(中央大)、齋藤宜之(中央大)
形式:ABD読書法。当日、邦訳草稿を配布いたします。
定員:15人~20名ほど(※ 申請多数の場合は抽選とさせていただきます。ご了承ください)
申込方法:こちらのGoogleフォームにてお申込みください。
申込締切:2019年12月25日(会場サイズの確定のために、お早めのご登録となっております)

[書籍概要]
Thompson, P. B. (2015). From field to fork: Food ethics for everyone. Oxford University Press, USA.

ポール.B.トンプソンは、1980年代から食農倫理学分野を牽引し続けているこの分野の第一人者です。1980年代から、遺伝子組み換え技術などの先端技術の農業への適用に関する議論における倫理学者の役割や、環境倫理学と農林水産業の橋渡しをテーマにした研究を続けています。『〈土〉という精神』(1995=2016)、『アグラリアン・ビジョン』(2010、未邦訳)などの執筆、『食農倫理学百科事典』(2015、未邦訳)の編纂などの学術的貢献にとどまらず、国際食品企業のコンサルタントとして実践的役割も果たしています。本書はトンプソンのおよそ30年間に渡る活動の集大成と言えるでしょう。北米社会哲学協会が選出する2015年の「今年の1冊」ともなっています。

19世紀半ば、イギリスをはじめとした地域で食品工業が急速な発展を遂げ、現在のフードシステム(食べ物の生産・流通・加工・消費・廃棄)の基礎が作られました。これにより、生産業者や加工業者、流通業者、販売業者の連携によって、安定的な食料供給と利便性の向上が可能となったわけですが、その一方で、今日、労働力の搾取や資源の浪費、文化の破壊、家畜の非人道的な扱い、貧困層における生活習慣病の蔓延などの新たな課題に私たちは直面しています。今日の多くの食農倫理学からの提言は、現行のフードシステムへの批判としてまとめることができます。トンプソンも基本的にはこの立場をとっています。

ただし、「より良いフードシステムのあり方とは何か、良い食べ方とは何か」という問いへの決定的な答えは、本書のなかでは示されません。むしろその問いを、それぞれの実践の場で内省したり議論したりするための足場として、本書は位置付けられます。

目次は以下のとおりです。

はじめに. 倫理に関する大まかなガイド| 1
1. あなたはあなたの食べる物では決まらない | 22
2. 食農倫理学と社会的不公正| 54
3. 食生活の倫理と肥満| 80
4. 食農倫理学の根本問題 | 106
5. 家畜福祉と食肉生産の倫理 | 130
6. 地元産の魅力:フードシステムと環境への影響 | 159
7. 「緑の革命」の食品技術とそれに対する不満 | 193
8. ふたたび、今度は思いを添えて:倫理、リスク、そして食の未来 | 227

参考リンク
Paul B. Thompson(ミシガン州立大学のページ)
『〈土〉という精神』情報サイト(同書の日本語版序文を読むことができます)