//WORKING GROUP 3
政策と実践における
アグロエコロジカルな農林水産の戦略
アジアの食の生産は、今、転換期にあります。途上国では都市化が、先進国では人口減少が進み、地域の農山漁村や農林水産業の存続が危機にさらされています。また食の生産の過度の市場化は、農畜水産物を「食べもの」から「換金商品」へと変化させ、地域の生活や景観、食の営みの質を変化させます。
食の生産の転換にはいくつかの方向性がありえますが、WG3ではアグロエコロジカルな生産に向けた転換がどう生じるかに着目して研究を行います。アグロエコロジーとは、生態系の原則を応用して持続可能な食の生産過程をデザインしようとする考え方です。科学であり、運動であり、姿勢でもあります。地域の食の生産の政策と実践により形作られていきます。そこでWG3では、政策と実践におけるアグロエコロジカルな生産の戦略を研究対象とします。地域の自己決定と自律を保障するような政策のあり方、土地に密着した生産者の知識や技術、都市と農村との連帯、持続可能な動物性資源の利用などについて、日本とブータン、中国をサイトとして研究し、食の生産の転換やその要因について考察します。

兵庫県西宮市生まれ。民間シンクタンク勤務を経て、2016年度より総合地球環境学研究所で、プロジェクト上級研究員として活動しています。日本の農林水産業や農山漁村を主な関心領域として、自然資源管理、コモンズ、人材育成、政策形成などの研究をしています。2007年、京都大学にて学位取得。博士(農学)。

総合地球環境学研究所・研究員

総合地球環境学研究所・研究員

真貝理香
総合地球環境学研究所・研究員
学生時代の専攻は、民族学考古学。遺跡出土の骨類・貝類から、当時の食生活、環境を研究してきました。大学院修了後、子育て期の17年間研究の世界を離れて主婦生活、2014年から復帰しました。その後、生態人類学的研究に転じ、現代の山間地域の伝統的生業、在来知、食生活の調査。現在は、人と環境・農林をつなぐ「ミツバチ」に焦点をあて、山間地域・都市双方の養蜂の調査行い、ミツバチの目から、安定した食料生産・安全な食・街の景観を見ることを試みています。生活者の視点・おばさんの視点を研究に活かしたいと思います。

ケンタッキー大学、社会学部・教授

東京外国語大学、現代アフリカ地域研究センター・准教授




アントワネット・M・ドゥモン
カリフォルニア大学バークレー校・ポスドク研究員
農業経済学と農業社会学を専門とする農学者。アグロエコロジーの社会経済的側面、特に生産者・農業労働者の労働状況に着目しています。FEASTでは、サブプロジェクトの「日本におけるアグロエコロジーの社会的持続可能性」のコーディネートを担当しています。
ハチのオンラインイベントにゲスト出演(マキシミリアン・スピーゲルバーグ)
京都と滋賀をベースに活動されている非営利ボランティア団体の美土里ファーム/Midori Farmさんが2021年2月10日に「Midor Farm Talk:Bees」を開催され、カナダの養蜂家 Kenneth Sall ... Read More
アメリカ地理学会2019にて研究成果報告(小林舞、ダニエル・ナイルズ)
2019年4月3日~7日に米国ワシントンD.C.にて開催されたアメリカ地理学会(AAG: American Association of Geographers)2019年大会に、FEASTプロジェクトより、クリストフ・ ... Read More
ミツバチチームの記事が京都新聞(2019/8/14)に掲載
2019年8月14日(水)付の京都新聞(夕刊)に、ミツバチチームの記事が掲載されました。以下、原文です。 上賀茂発 地球研フィールドノート(連載)⑤ミツバチと共に未来を作る:生態系へ視野広げ 優しい街に(総合地球環境学研 ... Read More
[email protected]香港にてセッション企画・発表
2019年6月26日~29日に香港科技大学にて、『2019 Hong Kong Conference of the Global Research Forum on Sustainable Production and ... Read More
地球研ニュースレターのミツバチチーム記事英語版
地球研ニュースレター『Humanity&Nature』No.74にミツバチチームが寄稿した「平成29年度 若手研究者支援経費・所長裁量経費の活動報告:ミツバチとともに未来をつくる」の英語版を作成しました。こちらの ... Read More
国際ジャーナル『Canadian Journal of Development Studies』に京都と長野の新規就農に関する論文掲載
WG3の新規就農に関する研究成果をまとめた、スティーブン・マックグリービーPL、小林舞研究員、メンバーの田中敬子先生(米国ケンタッキー大学)の査読付き論文「Agrarian pathways for the next g ... Read More
日本造園学会誌『ランドスケープ研究』に研究論文掲載
日本造園学会誌『ランドスケープ研究』(81)3(2017年10月)に、WG3の研究成果として論文および対談記事が掲載されました。 「世界重要農業遺産システムGIAHSのランドスケープから学ぶ/Learning from ... Read More
シンポジウム「ファーマーズマーケットのあるくらし:持続可能な社会へのトランジション」音声記録
2017年11月23日に、peace flagプロジェクトさんと共催で開催したシンポジウム「ファーマーズマーケットのあるくらし:持続可能な社会へのトランジション」の音声記録をYoutubeにアップしました! #1 開会の ... Read More
「日韓ワークショップ:持続可能な発展と東アジアのコモンズ」の開催報告が地球研ニュースレターに掲載されました
2018年2月11日~12日に、韓国済州大学のコモンズと持続可能な社会研究センターの研究者と第9回KYOTO地球環境の殿堂に殿堂入りされたマーガレット・マッキ―ン先生をお招きして、「日韓ワークショップ:持続可能な発展と東 ... Read More
『農業と経済』にジビエ利用に関する論文掲載
農業と経済(2018年6月発行、第84巻第6号)にて、特集「ジビエ利用の可能性:共生と資源管理」が組まれ、田村典江(プロジェクト上級研究員・WG3チェア)の論文「日本における野生鳥獣肉の流通と消費:ローカルフードシステム ... Read More
第一回地球研/UCB国際ワークショップ(田村典江、小林舞、ダニエル・ナイルズ)
11月6日~7日に米国カリフォルニア大学バークレー校(以下、UCB)にて、地球研とUCBの交流提携締結を記念して開催された第1回国際ワークショップ「Food, Agriculture, and Human Impacts ... Read More
認定NPO法人シニア自然大学校・地球環境『自然学』講座にて講演 田村典江
大阪の認定NPO法人シニア自然大学校では、自然環境教育と社会文化活動を行っており、その一環として、京都大学名誉教授の田中克先生がコーディネーターを務める「地球環境『自然学』講座」を開催しています。2017年8月26日に、 ... Read More
地球研ニュースレターNo.67に宮崎県高千穂郷・稚葉山地域での調査報告掲載
地球研ニュースレターNo.67(2017年7月発刊)に、世界農業遺産(GIAHS)の宮崎県高千穂郷・稚葉山地域でWG3チェア田村典江が実施したインタビュー調査の報告(第18回地球研連携セミナーの報告:地域の<あたりまえ> ... Read More
FMくしろ「エゾシカ・ゼミナール」出演
WG3チェア田村典江が、北海道釧路のコミュニティーラジオ「FMくしろ」の『エゾシカゼミナール』に出演しました。放送日時は、2017年6月21日(水)、28日(水)AM8:30~8:45です。放送後に、同局のウェブサイトか ... Read More
ワークショップ「狩猟鳥獣肉は日常になりうるか、なるべきか」を開催しました!
10月21日(金)から23日(日)に北海道沙流郡日高町で開催された第4回狩猟サミットで、自主企画として「狩猟鳥獣肉は日常になりうるか、なるべきか」と題したワークショップを開催しました。一日目に開催したワークショップでは、 ... Read More